香典返しの心得


◆香典返しは忌明けを目安に
 葬儀でお世話になった方、香典をいただいた方、会葬をしてくださった方への香典返しは、「忌明け」の法要のときに行うのが一般的です。忌明けの時期は、仏式や神式など各宗派によって異なります。
・仏式の場合
  忌明けは五七日(三十五日)または七七日(四十九日)とされています。このときに法要を営み、挨拶状を添えて香典返しの品を贈ります。表書きは「志」や「満中陰志」「茶の子」とします。
・神式の場合
  三十日祭、または五十日祭が忌明けです。このときに挨拶状と香典返しを贈ります。表書きは「志」とします。
・キリスト教の場合
  キリスト教式では忌明けの習慣がありません。また、香典返しという習慣もありません。しかし、最近はお返しをする人が多くなっており、時期は1カ月後の召天記念日や追悼ミサの後で贈るケースが多くなっています。表書きは「召天記念」もしくは「志」です。

◆水引の色はかならずしも黒白とはかぎらない
 不祝儀のときの水引というと、なんでも黒白と思いこまれているようですが、これは間違いです。人が亡くなった直後に香の料(代金)として持参し供える香典は、本来は白の水引で結ぶか、元結二本で結んだものだったといわれています。それが光沢のない沈んだ黒と清浄の白を合わせて用いるようになり、今日の黒白が不祝儀時の一般的な水引となりました。
  しかし、黄色と白、銀一色、藤色と白などの水引もあり、これらも華美を避けた色として弔事の場合に用いられてきています。今日では、これらの色の水引は法要のときに用いるものと使い分けがされているようですが、法要にかぎらず香典の包みに用いてもさしつかえありません。

◆香典帳の整理を
 通夜や告別式のときにいただいた香典の記帳をもとに、香典帳を整理しましょう。その際に、いただいた金額別に一覧表を作成しておくと、香典返しをするときに大変便利です。といっても、香典帳の整理は煩わしいものです。ご相談いただければ、ご一緒にお手伝いさせていただきます。お気軽にお申しつけください。

◆香典返しは実用的な品を
 香典返しは「半返し」と言われるように、いただいた香典の半額が目安です。しかし、個々に選んでいては煩雑になるため、品物を金額で3段階くらいに分けて選び、その中から香典の額に応じたものを贈るという方法が多くなっています。品物で一番多いのが、お茶です。そのほかタオル、綿毛布、肌ふとん、バスマット、などがよく選ばれています。

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